半導体を取扱うIT企業は数多くあり、よくニュースでも「半導体が〇〇だ。」ということを耳にします。
「そもそも半導体とは何なのか」、「なぜそんなに必要なんだろう」と感じませんか?
そこで今回は半導体の役割と仕組み、必要な理由などについてわかりやすく解説をしていきます。
半導体とは?
最初に結論を話しますと、半導体とは導体(電気をよく通す物)、絶縁体(電気を全然通さないもの)の中間の性質をもつ物が半導体と呼ばれています。
なぜ半導体が世界中から必要とされているのかというと、とてもとても便利だからです。
例えば、最近流行りの太陽光発電にも半導体が使われています。半導体というのは光のエネルギーを受けると、電気が発生する性質があります。
導体、半導体、絶縁体の詳しい違いについては以下の記事を参考にして下さい。
また、ある条件の時は電気を流す、ある条件の時は電気を流さない、といった回路の使い分けもできます。
他にも交流の電気を直流に変換させる(整流)ダイオードというものにも使用されます。
このように色々な使い方が出来すぎるため人気者です。
パソコンや家電製品など、電気機器には必要不可欠な存在となっています。
半導体の原料と性質について
では半導体にはどんな物が使われているのか解説していきます。
主にシリコン、ホウ素、ゲルマニウム等が半導体と呼ばれる性質を持っています。
導体(電気をよく通す物)は主に金属類、絶縁体(電気を全然通さない物)はガラス、炭素、ゴム等があります。
つまり導体、半導体、絶縁体の違いは電気の通しやすさの違いということになります。
なぜ電気の通しやすさが違うのかというと、原子の周りを回っている電子の移動のしやすさが違うからです。
電気というのは電流(電子の移動)によって発生するものなので電子が移動しやすいか、動きにくいかで変わってきます。
例えば電気をよく流すものというと大体の人は金属を思い浮かべると思いますが、金属の原子は電子を拘束する力が弱いため、簡単に電子が移動します。
逆に絶縁体(ゴム等)の場合は原子が電子を拘束する力が強いため電子が移動できず、電流が流れません。
つまり絶縁体は束縛が激しく、導体は束縛をしない自由なタイプです。私は導体の方が好みです。
半導体は導体、絶縁体の中間の拘束力を持つため、電気の通しやすさも中間ということになります。
通しやすさが中間というのは具体的にどういうことなのかというと電気が通る時もあれば、通らない時もあるということです。
半導体を実際に使用する時は2種類以上の半導体をくっつけたりすることで、電気を通す、通さないなどの調整をしています。
半導体に様々な条件を加えることで電気を流したい時だけ流すという使い方ができます。
半導体の仕組み
半導体は光や熱のエネルギーを受け取ると電気が発生します。
なぜ、光や熱などから電気が発生するのかというと、半導体の原子が保有する電子は光や熱で移動してしまうためです。
例えば、半導体であるシリコンは1個の原子の一番外側に4つの電子を保有しています。
1つの物体として結合する時には以下のように他の原子から1個ずつ電子を共有するように結合をしています。
この結合を共有結合といい、半導体に光や熱などが加わる時にはこの状態でエネルギーを受けていることになります。
半導体に光や熱のエネルギーが加わると、共有結合されていた電子が移動します。(自由電子になる)
電子はー(マイナス)の電気エネルギーを持っていることから、電子が移動してなくなった場所には+(プラス)の性質が現れます。
この+の性質の孔は正孔と呼ばれており、+の性質を持つことから、近くの−の電気(電子)と引かれ合う性質があります。
つまり半導体は、エネルギーが加わる→電子の移動→正孔が現れる→正孔へ電子が移動→また新たに正孔が現れるという無限ループを繰り返していることになります。
電子や正孔は電気を運ぶという意味合いからキャリヤといいます。
電気が発生する時(電流が流れる時)=電子が移動する時なので、上記の工程は電子の移動であることから、電気が発生します。
太陽光発電もこのような一連の流れで電気が発電されていることになります。
電気が流れる仕組みは以下の記事で解説していますので気になる方は参考にしてください。
P型半導体とN型半導体とは?
半導体の中にも種類があります。
半導体にはP型半導体とN型半導体と呼ばれるものがあります。
この2種類の違いは原子の結合において自由電子と正孔がどちらが多いかの違いです。
原子結合の中で自由電子よりも正孔が多い場合はP型半導体、自由電子よりも正孔が少ない場合はN型半導体となります。
しかし、純度の高い(一切不純物が含まれない)半導体は基本的に電子と正孔の数は同じです。
そこに不純物(他種類の原子)を加えると数の比率を変えることができ、P型にするかN型にするかなどの調整をすることができます。
例えば、純度の高いシリコンにヒ素の原子を加えたとします。
ヒ素は原子の一番外側に5個の電子を保有している元素のため、シリコンに加えると電子が余り、自由電子が生まれます。
この場合は正孔よりも自由電子が多い(自由電子が多数キャリヤ)半導体のため、N型半導体です。
反対にシリコンよりも電子が少ないホウ素などを加えると、原子結合の中で電子の数が足りなくなり、正孔が多くなります。(正孔が多数キャリヤ)
この場合はP型半導体と呼ばれます。
P型半導体とN型半導体を作るために加えた不純物はアクセプタといいます。
まとめ
・半導体は電気を通したり、通さなかったりするもの(導体と絶縁体の中間)
・半導体にはシリコン、ホウ素、ゲルマニウムなどがある
・半導体にはP型半導体とN型半導体がある
・色々な使い方ができ、多くの機器に使われているため需要が多い
以上が半導体の概要、仕組みとなります。
半導体が何なのか気になっていた方は参考にしてみて下さい。
この記事を読むと、半導体の概要と仕組みについて理解することができます。