【最強のわかりやすさ】感電の仕組みとは?5つの防止対策を紹介

電気は私達の生活を支えてくれるとても便利なものですが、危険なものでもあります。

 

感電してしまうと後遺症や傷が残ったり、場合によっては命を落としてしまうこともあります。

 

しかし、そもそも感電の仕組みを知らなけらば、未然に防止することもできませんよね。

 

今回の記事では、感電の仕組みと防止対策について解説していきます。



感電の仕組み、危険性について


まず、感電とはどのような時に発生するのかというと、充電部→人体→大地(地面)の順番に閉回路が形成された時に発生します。

電気には抵抗(Ω)の低いものは流れやすく、抵抗の高いものには流れにくいという性質があります。

 

流れやすいものというのは金属などのことで、流れにくいものにはゴムなどがあります。

 

人間の電気的な抵抗は年齢、体型などによって差もあるのですが、約6000Ω程と言われています。

 

一方、大地(地面)の抵抗はこちらも地面の地質や水分などで差があるのですが、大抵は0Ω近辺です。

 

そのため、電気が人体を通過した後、さらに抵抗の低い大地(地面)があることで閉回路が形成されてしまうという訳です。

 

また、交流の電気と直流の電気では直流の方が危険です。

 

交流の電気は大きさが常に変化しており、0になる瞬間に体を離すことができますが、直流の電気は大きさが常に一定であり、感電したら体を離すことができません。

 

ちなみに、人間は1Aの電流が流れた場合、命を落としてしまいます。

 

家のブレーカーの容量などを見ると、20Aや30Aとよく書かれています。

 

そのため、1Aと聞くと小さい電流のように感じるかも知れませんが、実は1Aはかなり大きい電流なのです。

 

これが感電する時の仕組みと危険性になります。

感電が起きやすいケースとは


「そもそも私生活で感電することなんてあるのか?」と疑問に思いまよね。

 

私生活で感電が起きやすいケースは下記のとおりです。

 

濡れた手でコンセントに触れる

濡れた状態でコンセントに触れるのはとても危険です。

 

水分は電気を通しやすい性質があるため、濡れた状態の人体の電気抵抗はかなり低い抵抗値になってしまいます。

 

そのため、汗をかいている時、お風呂あがり、洗い物をした後などは触れないように注意しましょう。

長尺物を上げる

長尺物を上げることで充電部に触れ、感電してしまうケースです。

 

例えば、凧を上げて電柱の配電線に引っ掛かり感電するケースです。

 

また、釣りをする時も夢中になって竿を振り、近くに電線があることに気づかず感電するケースもあります。

 

ちなみに、家のコンセントというのは大抵100Vや200Vですが、電柱の配電線の電圧は6600Vです。

 

6600V以上の高さになると電線に直接触れなくても、近づいただけで感電してしまいます

 

私も電気の勉強を始めた頃は「近づいただけで感電するのか?」とイマイチよく分かりませんでしたが、下の図のようなイメージです。

充電部と近づいたものの間でバチバチと放電が始まるため感電する、というようなイメージです。

 

長尺物を扱う時、ものを上げる時は周囲の状況をよく確認しましょう。

家電のアース(接地)がとれていない

家電にはアースを付けるものがあります。(例:電子レンジなど)

 

家電は長年使用していると、回路に不具合が発生し漏電してしまうことがあります。

 

漏電していると家電の筐体にまで電気が流れてしまうため、触れると感電してしまいます。

 

その時に家電にアースをつけていれば、漏電している電気は全て抵抗の低い大地の方へ流れ、人間が触れても感電することはありません。

 

そのため、アースさえ付けていれば安全ですので、アースが付いていることを確認しましょう。

ケーブル類の絶縁性が低下している

何かの電源ケーブルや家の配線などでケーブルの被覆が剥けていたり、劣化していると触れた際に感電してしまします。

 

ケーブル、配線などの被覆が剥けていた場合は危険ですので、使用しないようにする、新しいものに張り替えるなどをして対応しましょう。

 

以上が私生活で感電が起きやすいケースです。

感電の防止対策とは


それでは、感電を防止するためにはどんなことをしていけばよいのでしょうか?

 

主な対策案は下記のとおりです。

手元、足元を絶縁する

感電は充電部→人体→大地(地面)の回路が形成された時に発生します。

 

そのため、感電する時に形成される回路の中で、どこかを断ち切ることができれば感電を防ぐことができます。

 

充電部に触れる時にゴム手袋のような保護具を着用する、足元にゴムマットなど絶縁物を引くことで大地へ電気が流れないようにする、などの対策があります。

このような対策をすると人体を通して回路が形成できなくなり感電することがありません。

電圧の有無を事前に確認する

普段の生活であまり電気作業をすることはありませんが、もし配線の端子などに触れる時には事前に電圧があるかテスターなどで確認しましょう。

 

また、検電器という充電部に触れると音を鳴らして知らせてくれるような測定器もありますのでそれらを活用しましょう。

 

周囲の状況をよく確認する

とてもシンプルな方法ですが、重要なことです。

 

感電をする時に一番多い要因が、充電部の存在に気づかなかったという要因です。

 

その要因を取り除くだけでも十分に感電する確率を下げることが可能です。

 

長尺物を扱う際や充電部に近づくことがある場合は、必ず周囲の状況を一度よく確認するようにしましょう。

アース(接地)がとれていることを確認する

漏電したものに触れた場合、感電してしまいます。

 

しかし、漏電したものにアースがとられていれば、大地に電気が流れ感電することがありません。

 

機器、家電を使用する時にはきちんとアースがとられているか確認するようにしましょう。

濡れた手で触らない

先程説明したとおり、濡れている時の人体の電気抵抗は、かなり下がった状態となります。

 

人体の抵抗が下がると電気が流れやすくなり危険な状態となります。

 

コンセントや機器に触る時には、濡れた手で触らないようにしましょう。

まとめ

・感電は充電部→人体→大地(地面)の順番に閉回路が形成された時に起きる

 

・感電は絶縁できるもので閉回路を断つと防止することができる

 

・電圧の有無を事前に確認する、周囲の状況をよく確認することで感電を防止できる

 

・家電や機械を使う時は必ず、アース(接地)がついていることを確認する

 

・濡れた状態でコンセントや機械には触れないようにする

 

以上がまとめたものです。

 

今回は感電の仕組みや危険性、対策方法について解説しました。

 

感電は命を落とす可能性もある危険な現象です。

 

自分や大切な人を守るため、身の回りに感電の危険性はないか、よく確認しておきましょう。

 

また、感電も危険な現象ですが、地絡という大地に電気が流れる現象もとても危険です。

 

以下の記事では地絡の仕組み、対策方法について紹介していますので、是非合わせて読んでみてください。

地絡をわかりやすく解説!危険な理由と3つの対策方法を紹介!

 

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いずみ
電気について勉強を始めて12年。その内9年は変電所や発電所に関わる仕事を経験し、現在も目に見えない危険な電気と戦う毎日を過ごしている。電気について気楽に学べる場所があればいいなと思い、第一線の現場で得た電気系知識、経験などを発信しています。