電気には流れやすいものと流れにくいものが存在します。
電気の流れを妨げるものは抵抗と呼ばれています。
今回の記事では電気抵抗とは何か、抵抗の大きさを計算するにはどうすればよいのかという点について解説をしていきます。
電気抵抗とは?
上記でお話した通り、電気抵抗というのは電気(電流)の流れにくさを表しているものです。
電流の詳細については以下の記事で解説していますので気になる方は参考にしてください。
そして抵抗の大きさは数値として表すことができ、単位にはオーム(Ω)が使用されます。
昔、オームという人物がこの電気抵抗を発見したことからこのオームという単位が使われています。(例:100Ω等)
抵抗が0Ωの場合は、私は電気の流れを一切邪魔しませんという状態なので電流がよく流れます。
逆に抵抗が20万Ω(2MΩ) 以上などの高い抵抗値の物質には全く電流が流れません。それだけ電流を妨げる性質が強いということになります。
抵抗を持つ物質の中で108Ω以上程度は絶縁体、10-5~10-8Ω程度が導体、絶縁体と導体の間の抵抗値を持つものは半導体と呼ばれてます。
なので抵抗値が低い銅やアルミなどの物質は導体に分類されています。
ちなみに年齢やその時の条件にもよりますが、人間の皮膚の抵抗は大体5000Ω~6000Ωと言われています。
抵抗は電流を妨げる強さのことでどんな物質にも存在し、物質によって大小が異なります。
なぜ電流の流れやすさに違いが出るのか?
ではなぜ流す物質によって違いが出るのでしょうか。それは物質によって原子の特性が違うからです。
電流というのは電子の移動によるものですが、原子の種類によって電子を拘束する力が違うため差が出てきます。
金属などの電気をよく通す物質は電子を拘束する力が弱いため、電子がすぐに移動してしまいます。(電子の移動=電流)
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ワンピースが好きな方は分かると思いますが、ゴム人間のルフィにはエネルの電撃が効きません。
それはゴムの原子が電子を拘束する力がとても強いため、電流を流さないからです。(抵抗値が高くなる)
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この物質による抵抗の違いは抵抗率ρ(ロー)といいます。単位は(Ω・m)が使われています。
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抵抗率は物質ごとの電流の流れにくさを表しますが、反対に流れやすさを表すものもあります。
それが導電率σ(シグマ)というものです。単位は(S/m)で、抵抗率を逆数(1を抵抗率で割ったもの)にしたものです。
つまり、導電率が高い物質は抵抗率の時と反対で電流を流しやすいということになります。
ちなみに長さ1m、断面積1mm2で20℃における標準軟銅の導電率は1.0(100%)です。
この時の銅と比較して導電率は使用されます。
物質ごとの抵抗の違いは原子の性質によるもので抵抗率として表しています。
抵抗は長さ、断面積、温度によって変化する
物質により抵抗は変化しますが、同じ物質でも長さと断面積、温度によっても抵抗は変化します。
同じ物質でも長さが長いほど抵抗は大きくなります。
例えば1mと10mでは10mの方が抵抗が大きいです。
10mを電子が移動するということは1mの時よりも10倍、物質の原子と衝突することになるからです。そのため抵抗は大きくなります。
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続いて断面積ですが、こちらは断面積が狭いほど抵抗が大きくなります。
例えば狭い道と広い道、どちらが走りやすいかというと、広い道の方が走りやすいイメージができるかと思います。
そして温度ですが、温度は高いほど抵抗が大きくなり、温度が低いほど抵抗は小さくなります。
これは温度が高い状態の時、物体の原子は振動している状態だからです。
原子が振動して運動するようになると電子の移動が妨げられることになりますので抵抗が大きくなります。
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ちなみに金属を-263℃の低温にすると抵抗が0になります。この現象は超伝導と呼ばれてます。
これらのことから、抵抗は抵抗率などを用いて以下のように計算することができます。
$$抵抗R(Ω)=抵抗率ρ×\frac{長さl}{断面積S}$$
抵抗値は同じ物質でも温度、長さ、断面積によって変わります!
まとめ
以上、今回は電気抵抗の概要と計算方法についての解説でした。
抵抗は電気理論において基本的な部分となるため重要です。
また、以下の記事では抵抗の他にも電流を妨げる性質を持つものを解説していますので併せて是非読んでみてください。
・抵抗は電気の流れにくさを表すもので単位はオーム(Ω)を使う
・抵抗率により電気が通る物質によって抵抗が違う
・同じ物質でも長さ、断面積、温度によって抵抗は変化する
・抵抗は以下の式で計算することができる
抵抗R=抵抗率ρ×長さl/断面積S