簡単!配線の短絡(ショート)とは?3つの対策方法を紹介!

配線がショートした。という言葉を聞いたことがあるかと思います。

電気業界ではこの現象を短絡と呼んでいます。短絡は停電の原因にもなる危ない現象です。

もし、皆さんの家で停電が起きた場合、それはもしかしたら短絡が原因かもしれません。

今回はこの短絡という現象を徹底的にお話していきます。



短絡とは何か?

短絡というのは抗が小さいものにとても大きな電流が流れてしまう現象です。

例えば、下の図のような直流回路があったとします。

この回路の抵抗の両端に内部抵抗が0.1Ωの電線を接続したとします。

接続すると下の図のようなイメージになります。抵抗というのは電流の流れにくさを示すものなので、数値が低い程、電流はよく流れます。

100Ωの抵抗よりも、0.1Ωの電線の方が電流は通りやすいので電流は0.1Ωの電線を通ります。

皆さんもランニングをするなら、沢山の人に色々邪魔をされる道よりも、誰もいない道を優雅に走りたいですよね。
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そして流れる回路の抵抗が変わると、オームの法則により電流も変化します。

↓↓オームの法則について知りたい方はこちらを参考にして下さい↓↓
【3分で分かる!】オームの法則とは何か?

電圧/抵抗で電流が決まるので、抵抗が小さくなると電流はとても大きくなります。

このように何らかの理由により本来意図していなかった閉回路が出来上がってしまい、抵抗の低い方へ電流が流れ、大電流が発生してしまうのが短絡という現象です。

短絡するとどうなるのか?

上記で説明した通り、短絡になると大きな電流が流れるのが理解できたと思います。

電流は熱を発生するので、短絡になれば場合によっては数百度の熱を発生することになります。

高温の熱が発生すると電線を溶断したり、家であれば火災の原因にもなったりします。

↓↓電流が流れるとなぜ熱が発生するのかは下の記事を参考にして下さい↓↓
【3分でわかる!】ジュールの法則とは?簡単に解説!

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しかし、一般家庭にブレーカーが付いている様に、大体の電気回路には大きな電流が流れた際に回路を保護するため、電源を遮断するものが取付られています。

なので、多くの場合は電源が落ちて終わりです。
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もしブレーカーが壊れていて動かなかったら、、、?あまり想像はしたくないですね笑。

なので定期的にブレーカーの状態を確認するくらいはした方がいいと思います。

短絡の原因は?

原因1:自然現象によるもの

ケースによって様々なのですが、電柱の電線や送電線であれば、強風や雪、氷等で短絡が発生することがあります。

強風で2本の電線が近づき短絡、つらら、積雪により2本の電線がつながってしまうなどの要因があります。

また、小動物が設備に侵入し、中で短絡することがあります。

原因2:ゴミ、不純物による短絡

精密機械のようなものであれば、糸屑のようなゴミが入ることで中で回路が短絡を起こしたりします。

原因3:作業中のミスなど人的要因による短絡

電気工事や設備の点検は基本的に設備を停止してから行うものですが、場合によっては一部、充電している場所があるパターンもあります。

作業をするのが人間である以上、間違えることやミスをすることもあります。

例をあげると、作業中にドライバーで充電している端子台に接触してしまうなどがあります。

以上、これらのことが主な原因になっています。

私が実際に見た短絡の経験

私が実際にやらかしたとかではなく、ある施設で短絡を見ることができたお話です笑。

どんな短絡だったのかというと、電柱の電線というのは6600Vの電圧が常時かかっています。

3本の電線で電気を供給しているのですが、その内2本を接触させて短絡を起こすというものでした。
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2本の線が接触した瞬間、パーン!!という凄い音が鳴りました。

もはや爆発していました。電線を溶かしてしまうのも納得いくと思う程の勢いでした。

なので凧を上げて遊ぶ時は電線に要注意して下さい。一歩間違えると爆発が待っています。

短絡の対策方法について


短絡は危険な現象であることが分かったと思います。

では、どうすれば短絡を未然に予防することができるのでしょうか?

短絡の対策として出来ることはいくつかあります。

対策1:配線の間を物理的に近づけなくする

上の記事で、2本の電線の接触により短絡が発生するお話をしました。

2本の線が近づかなければ短絡にはならないので、電線の間隔を広くする、2本の電線の間に絶縁した板を入れるなどをすると安全性が向上します。

対策2:充電部分を絶縁する

対策1と少し似ていますが、近くの充電している箇所を絶縁シートやビニールテープなどで覆うことです。

間違って充電箇所に接触してしまっても絶縁物の上からなら、短絡事故につながることはありません。

対策3:小動物の侵入箇所をなくす

小動物が侵入すると短絡が発生する可能性があるため、小動物が侵入できないようにします。

隙間に粘土を詰めるなどをして侵入経路をなくすことができます。

以上が3つの対策です。

これらの対策を実施することで、短絡が発生する確率をかなり下げることができます。

まとめ

短絡というのは小さい抵抗を通り、大きな電流が流れてしまう現象

短絡は火災や機器の損傷につながる

短絡の多くは自然現象(雪、強風)、小動物、ゴミ等が原因になる

短絡は2本の電線が接触しないようにする、小動物を侵入できないようにするなどして対策をすることができる

以上が短絡についてざっくりとまとめたものです。

電気は私達の生活にも関わることなので、短絡による火災が起きない様にコンセント周り、ブレーカーの状態等を確認しておくのもたまにはいいのかもしれません。

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いずみ
電気について勉強を始めて12年。その内9年は変電所や発電所に関わる仕事を経験し、現在も目に見えない危険な電気と戦う毎日を過ごしている。電気について気楽に学べる場所があればいいなと思い、第一線の現場で得た電気系知識、経験などを発信しています。