【3分でわかる】接地と接地抵抗とは?わかりやすく簡単に解説します!

洗濯機や電子レンジを購入した際、ほとんどの方は接地を付けてから家電を使用すると思います。

中には面倒くさいからという理由でそのまま家電を使っている人もいるかも知れません。

「そもそも接地とは何だろう」、「なぜ付ける必要があるんだろう」と感じませんか?

今回は接地の目的や原理について簡単に解説していきます。

この記事を読むと、接地をとる理由と接地抵抗がどのようなものなのか理解することができます。



接地(アース)とは?


最初に結論をいいますと、接地というのは人が触れるであろう部分と地面を電線等の導体で接続状態にし、人が感電しないようにすることです。

これだけ聞いてもなんだか意味が分かりませんよね。順番に一つ一つ説明していきます。

まず、電気というのは基本的に抵抗の低い方を通る性質があります。

抵抗というのは電気の流れやすさを表すもので、数値が低い程電気を通しやすく、高い程電気を通しません。

地面の抵抗値は、地面の状態や土質等によっても少し変わるのですが、大体0Ωに近い抵抗です。

それに対し、人間の皮膚の抵抗は、こちらも個人差はありますが、およそ5000Ω~6000Ωと言われています。

明らかに地面の方が抵抗値が低いため、電気の通り道が地面と接続されていれば、人間の体を通らず、喜んで地面の方を流れていきます。

そのため、人間は感電することはありません。

電気の通り道が地面と接続され接地がとれている時の抵抗値を接地抵抗といい、この接地抵抗が低くなる程安全な接地であると言えます。

一方、接地抵抗が高い場合は地面に電気が流れにくくなっていることになるため、場合によっては感電する可能性がある危険な状態であると言えます。

このように、接地というのは地面と接続状態にすることで、人間が触っても感電しないようにするという重要な目的があります

なぜ地面の抵抗は0なのか?


では、なぜ地面の抵抗は0になるのか?不思議ですよね。

それを知るにはまず、抵抗値はどんな時に変化していくのか、ということを理解する必要があります。

抵抗は温度、断面積、長さ、どんな物質を使用するか等で変化します。今回は断面積に注目します。

断面積は広ければ広い程、電気は流れやすくなります。

広い道が走りやすいのと同じです。

狭ければ電子と原子が衝突しやすくなり、電気が流れにくくなってしまいます。

このことを地面に電気が流れる場合で考えると、断面積はとても大きくなります。

なぜなら、地面は何処までも続いているからです。

もはや地球に電気を流しているという様なイメージです。

流れる場所があまりにも広すぎるため、電気は快適に流れることができます。

地面の状態等にも差はありますが、このことから地面の抵抗値はとても低くなります。

抵抗値がどのような時に変化するのかは以下の記事で解説していますので気になる方は参考にして下さい。

接地抵抗値の測定方法

接地抵抗値は測定することができます。

接地抵抗値の測定には二極式接地抵抗測定器を使用した方法があります。

二極式接地抵抗測定器は、低温度の電流を流して接地抵抗を測定する機器です。使用方法は以下の通りです。

①二極式接地抵抗測定器の電極を接地端子に接続する。

②もう一方の電極を電源線などの接地に接続する。

③測定器を起動し、測定を行う。

④測定値を読み取り記録する。

測定前には周辺環境の影響を受けないように、周囲の金属物などを除去することが重要です。

また、測定値は変動することが多いため数回測定を行い、平均値を取ることがおすすめです。

家電に接地をしないとどうなるのか?


では、家電に接地(アース)を付けないとどうなるのでしょうか?

上記のことを踏まえると、接地というのは感電を防止し、人が安全に触れる様にすることなので、接地をしないと感電する場合があります。

例えば電子レンジを使って何かを温めようとした際に電子レンジ内部の電線の被覆が剥けていて、漏電していると危険です。

電子レンジの外箱が金属製なら、電源を入れて温めようとすると電子レンジの表面に電気が流れてしまいます。

このような電気が意図しない場所に流れることを漏電と呼ぶのですが、この状態で触ってしまうと感電してしまいます。


しかし、電子レンジに接地を付けていれば漏電していたとしても、人体よりも抵抗の低い地面へ電気は喜んで流れて行きますので感電することはありません。

これらのことから接地を付けるということは、命を守るために大切な役割をすることが分かります。

漏電と感電の仕組みについては以下の記事で解説していますので気になる方は参考にして下さい。

まとめ

接地とは人が触れても感電しないように、地面と接続した状態のこと

接地抵抗とは接地した際の抵抗値のこと

接地は地面に繋ぐためアースとも呼ばれる

地面はどこまでも続くことから電気の流れる断面積が広くなり、地面の抵抗はほぼ0になる

家電が漏電していた場合、接地が付いていれば感電せずに済む

以上が接地についてまとめたものです。

接地を付けることは人の命を守るために重要なことです。

皆さんの身の周りにも接地を付けていない人がいれば、ドヤ顔で優しく注意してあげましょう。

また、以下の記事では地絡という地面に電気が流れる現象を解説していますので気になる方は参考にして下さい。

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いずみ
電気について勉強を始めて12年。その内9年は変電所や発電所に関わる仕事を経験し、現在も目に見えない危険な電気と戦う毎日を過ごしている。電気について気楽に学べる場所があればいいなと思い、第一線の現場で得た電気系知識、経験などを発信しています。