最近テレビやSNSで電力がひっ迫しているため、節電して下さい~!とよく聞きます。
昔はこんなこと無かったのに最近よく聞くなぁと思いませんか?
今回はなぜ電力がひっ迫しているのか、節電をしないとどうなってしまうのかなど電力ひっ迫関連のお話をしていきます。
目次
電力はなぜひっ迫している?
私達は普段、電力を消費しながら生活をしています。
暑ければ冷房をつけ、寒ければ暖房をつけます。パソコンの電源、家電の電源など無意識に電力の消費をしています。
その電力は一体どこで作られるのかというと発電所で発電されます。
発電の方法にはいくつか種類があり、火力、原子力、水力、風力、太陽光などがあります。
では日本ではどの様な割合で発電をしているのか、というと火力発電が7割、残り3割は水力発電、原子力発電、太陽光発電となっています。
※原子力は一部稼働している所もあります。
そのため、火力発電でほとんどの電力を発電していることになります。
しかし、地震の影響で火力発電所がいくつか停止しています。
火力発電所の稼働が減っている訳ですから、当然発電できる量も減っています。
電気を発電できる量にも限りがあります。発電機の容量、台数により変化します。
それに加え、今までに無い記録的な暑さのせいで冷房等により電力の需要(電力の消費量)が高まりました。
発電量が減り、電力の需要が高まることで、電力が足りなくなっているので節電して下さい~!という状態になっています。
もう一つ考えられる理由は原子力発電所が停止していることです。
2011年の東日本大震災以降、原子力発電所は停止しています。
下の図は東日本大震災以前の日本の発電割合です。
火力発電の次に多いのが原子力発電ということが一目で分かると思います。
原子力発電は火力発電の次に沢山発電ができる方法です。
そのため、原子力発電所が稼働していれば、火力発電で不足した電力を補うことができたかも知れません。
水力や風力、太陽光で補えばいいのでは?と思うかも知れませんが、これらの発電方法で不足した電力を補うのはあまり現実的ではありません。
なぜなら水力、風力、太陽光では発電できる量がとても少ないからです。とても微々たる量です。
どのくらい違うのかというと、例えるならば太陽光発電の1年間分の発電量を火力発電なら1時間で発電できてしまう程の圧倒的な差があります、、。
日本中を太陽光パネルと風車で埋め尽くすなら話は別ですが、、。
また、これらの発電方法は天候に左右されやすく安定していません。
その点、原子力発電は火力程ではありませんが、沢山発電をするパワーがあります。
この様な背景があることから、最近は電力のひっ迫がよく起きるようになっています。
電気は常に需要と供給の量が同じになる様にしている
電気というのは性質上、水の様にどこかに貯めて置くことはできません。
直流であれば蓄電池やバッテリーがありますが、私達が普段使用するのは交流です。
そのため、その時の電力の需要に合わせて、発電機の出力を調整し、需要=供給になるように常に制御されています。
想定される需要よりも常に沢山発電しておく方が楽なんじゃない?と思うかもしれませんが、これには理由があります。
需要=供給にならないと供給している電力の品質が悪くなってしまうからです。
交流には周波数というものがあるのですが、需要=供給にならないと、交流の周波数が上がったり、下がったりしてしまいます。
需要の方が多い時は周波数は下がり、供給の方が多い時は周波数は上がります。
周波数が変わってきてしまうと、家電が動かなくなったり、停電が発生する場合があるため、安定した電力を送ることが出来なくなってしまいます。
そのため、電力の需要と供給はイコールとなるように常に制御されています。
電力ひっ迫の対策方法とは?
それでは電力ひっ迫はどうすれば解消されるのでしょうか?
対策方法は下記のとおりです。
節電をする
とてもシンプルですが、最も効果的な対策方法です。
節電をして使用する電気の量を減らせば、限界のある発電量に余裕ができひっ迫することがなくなります。
火力発電所の稼働を増やす
火力発電所をたくさん運転できれば、電力がひっ迫することはなくなります。
しかし、火力発電所の設備の修理には時間とコストがかかり、すぐに実現できるものではありません。
原子力発電所を稼働する
原子力発電所の運転を再開すれば、発電量をかなり増やすことができます。
しかし、厳重な安全対策や周辺地域の同意など、障害が多く簡単に実現できるものではありません。
以上のことから、節電をすることが重要になってきます。
なので私も最近は節電を意識しています。
電気代を節約することにも繋がり多分一石二鳥です。
まとめ
・電力のひっ迫は今までにない暑さで電力需要が増えたこと、火力発電所が停止しているため、電力の供給が減っていることが背景にある
・電力は常に需要=供給とならなければならない。バランスが崩れると品質の悪い電力になり、安定供給ができない
・節電をせず、需要が供給を上回ると周波数が低下し、停電になる
以上が最近流行りの電力ひっ迫についてまとめたものです。
このようなことから節電をするのはとても大事なことです。
私も節電を継続するつもりです。
また、電力の需要と供給のバランスは変電所という場所で調整をされています。
下記の記事では、変電所とはどのような場所なのか詳細を解説していますので、併せて是非読んでみてください。
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