【最強のわかりやすさ】変電所の仕組み、役割とは?簡単に解説!

私達の普段使う電気は変電所という場所から送り届けられています。

 

映画「君の名は。」にも変電所が登場しましたが、変電所は電気を送る重要な施設の一つです。

 

今回は変電所とは何をしているところなのか、なぜ必要なのかという部分について解説をしていきます。



変電所とは


まず、変電所は一体何をしている場所なのかというと、電圧を変圧している場所です。

変電所にある変圧器というもので発電所や他の変電所から受電した電圧を変圧しています。

変電所には利用目的によって電圧を昇圧している場所、降圧している場所があります。

基本的には電圧を降圧している変電所の方が多いです。

そのため、変電所というのは文字通り電気を変えている場所ということになります。

変電所の役割について


変電所は基本的に電気を昇圧したり、降圧したり変換をしている場所です。

しかし、変電所にはその他にも多くの役割があります。

主に下の3つの役割を持っています。

電圧の調整

まず、メインとなる役割は先程お話したとおり、目的にあわせて電圧を昇圧したり降圧するという役割です。

また、電気というのは需要と供給のバランスが常にとれていないと質の低い電気(位相がズレる)になってしまいます。

そのため、需要と供給のバランスを調整するという役割があります。

季節や時間帯によってバランスは常に変化しているため、バランスにあわせて電圧を調整する必要があります。

送電線の系統を制御する

送電線は放射状に蜘蛛の巣のように日本全土を張り巡らされています。

この送電線全体をまとめて系統と呼ぶのですが、変電所にはこの送電線系統を制御する役割があります。

例えば、どこかの送電線を停止しなければいけない時などは変電所にある開閉設備によって系統を切り替え、別ルートから送電をさせるといったことをします。

送電線の事故除去、波及防止

送電線に短絡や地絡などの系統事故が発生した場合、事故を除去するという役割があります。

例えば、送電線に系統事故が発生した場合は保護継電器という事故を感知するものが動作します。

保護継電器が動作すると開閉器を切り替え、送電線を停止させます。

送電線が停止すれば、そこから先の変電所や設備などに事故が広がらないため設備の故障や破損などを防止することができます。

このように変電所には沢山の役割があるため、とても重要な場所です。

なぜ変圧が必要なのか


家で100Vの電気を使うなら、そのまま100Vで送電すればいいのでは?と思いますがこれには理由があります。

なぜ変圧をする必要があるのかというと、電気を効率よく送電するためです。

電気を送電する際は送電線の電線を通ることになります。

その時にロスが発生してしまうため、送電する際のロスをなるべく少なくするために電圧を昇圧する必要があります。

送電線の電線には基本的に銅やアルミニウムなど、電気をよく通す導体が使用されていますが、電線内部の抵抗は完全に0Ωではありません。

送電線の長さは場所によって数十kmあるところもあり、抵抗ができます。

送電線の距離が長い程、電線内部の抵抗は大きくなってしまいます。

そして抵抗に大きな電流が流れると、電線に熱が発生するようになります。

その熱は抵抗と電流が大きい程、沢山発生します。

電流が大きくても電線を太くすることで熱の発生を少なくできますが、長い送電線や変圧器の巻き線を太くすることはあまり経済的ではありません。

また、この時に発生する熱というのは、せっかく送っていた電気エネルギーが熱エネルギーに変わってしまっていることを意味します。

電気エネルギーとは電気のパワーのことであり、電力(電流×電圧)のことです。

電流が熱の原因になっていることから、電流を低くして電圧を高くすることで理想の電力を送電しつつ、ロスが発生しないようにしてるのです。

例えば3×1と1×3では両方とも3ですが、電流の数字が小さい式の方が同じ電力を送る時にはロスを少なくすることができます。

このような理由から私達の普段使用する電気は変電所を経由して、変圧されてから送り届られています。

変電所の電気が停まるとどうなるか


変電所は電気を送っている場所ですので、停まってしまうと変電所一帯で停電が起きてしまいます。

停まった変電所の先に、また変電所があるような場所であればさらに停電が広がってしまい大変なことになってしまいます。

そのため、変電所の近くでボール遊びをしたり、ドローンを飛ばしたりするのは危険ですので、変電所の近くでは物を飛ばす遊びはしないようにしましょう。

 

まとめ

変電所は電圧を昇圧、降圧をすることで電気の変換をしている

 

変電所には需要に合わせて電圧を調整したり送電線の系統制御、系統事故の除去などの役割がある

 

変電所は送電時のロスを少なくするため、高い電圧を降圧してから電気を送り届けている

 

以上が変電所の概要についての解説でした。

変電所は電気を送り届けるためにとても重要な場所であることを理解していただけたと思います。

また、今回記事に記載をした系統事故(短絡、地絡)については下記の記事で詳細を解説していますので併せてぜひ読んでみてください。

地絡をわかりやすく解説!危険な理由と3つの対策方法を紹介!

簡単!配線の短絡(ショート)とは?3つの対策方法を紹介!

その他シェアはこちら

2件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
いずみ
電気について勉強を始めて12年。その内9年は変電所や発電所に関わる仕事を経験し、現在も目に見えない危険な電気と戦う毎日を過ごしている。電気について気楽に学べる場所があればいいなと思い、第一線の現場で得た電気系知識、経験などを発信しています。