【最強のわかりやすさ】オームの法則の公式をわかりやすく解説

電気回路の計算において、基本中の基本とも言えるものに、オームの法則というものがあります。

中学の理科でも習いますが、「どのような法則かわからない」、「電気の計算にどのように応用するかわからない」と感じませんか?

電気回路の計算をする際に必ず立ちはだかる壁、それがオームの法則です。今回はオームの法則の概要と計算の仕方について簡単にお話していきます。

いずみ

この記事を読むと、オームの法則の公式がなぜこのような式になるのか理解することができます。

オームの法則とは


オームの法則というのは1826年にゲオルグ・オームというドイツの学者に発見された法則です。

電流の強さは抵抗に反比例し電圧に比例して大きくなるというものです。

電圧と電流の詳細については下記の記事で解説をしていますので、気になる方は参考にしてください。
【最強のわかりやすさ】電気とは何か?わかりやすく解説!
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つまり抵抗が大きくなる程電流は小さくなり、電圧が大きい程電流が大きくなるということです。

電圧は電流を流す勢いを決めるもの、抵抗は電流の流れを邪魔するものというイメージを持つと理解しやすいと思います。

また、この関係性からオームの法則では電圧・電流・抵抗にはそれぞれ下記の式のような関係があると言っています。

$$電流(I)=\frac{電圧(V)}{抵抗(R)}$$

$$電圧(V)=電流(I)×抵抗(R)$$

$$抵抗(R)=\frac{電圧(V)}{電流(I)}$$

式を見ると、電圧は電流が大きい程大きくなるのは何となく分かりますが、抵抗が大きい程電圧は大きくなるのか?と不思議に思いますよね。

例えば抵抗が10Ωの回路に常に1Aの電流が流れるようにしたい時を考えます。

抵抗を20Ωに変更したが、また1Aの電流を流したいとします。

抵抗は電流の流れを邪魔するものなので1Aを流すためには変更前の抵抗の時よりも2倍の勢いで電流を流す必要があります。
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この時の電流の勢いというのは電圧のことなので、抵抗が大きい程電圧を大きくしなければ1Aの電流を流すことができません。

このことから抵抗が大きい場合は電圧は大きくなってしまいます。

オームの法則の公式の覚え方は?

先程、オームの法則には3つの式があることをお話ししましたが、3つ覚える必要はありません。

どれか一つの式を覚え、計算の都度、求めたいものに合わせて、式を変形させてあげればいいからです。

式を覚える際には電圧(V)=電流(I)×抵抗(R)の式を覚えるのがおすすめです。

電流や抵抗を求める時の式を覚えようとすると、分数になりどちらが分母だったっけ?となってしまう可能性があるためです。

分数である以上、分母と分子の数字を間違えると、計算ミスの原因になってしまいます。

一方、電圧(V)=電流(I)×抵抗(R)の式であれば、かけ算のため覚えやすく、計算ミスすることもほぼなくなります。

電流や抵抗を求めたい時には、上記の式を変形させてあげれば問題なく計算することができます。

オームの法則はどのように使用されているのか?


オームの法則は上記の関係式を利用して電気回路の計算をする時に使用されます。

例えば下記のような抵抗が10Ω、直流電流が0.5Aの回路で電圧を知りたいとします。

電圧を求めるように式を変形すると電圧(V)=電流(I)×抵抗(Ω)となるので、0.5A×10Ω=5Vとなります。

上記のような回路の計算は電気機器などを設計をする際に必ず行われます。

電流や電圧の予想を立てずに機器を使用すると、機器が正常に動作しなかったり、煙があがり火事になったという事態に陥る可能性もあります。

そのため、電気回路の計算というのはとても重要なことであり、その基本となるオームの法則もとても重要な法則であることがわかります。

オームの法則の問題

実際に問題でオームの法則を使って計算してみます。

以下の直流回路において、電源が100V、抵抗が20Ωであった時の回路の電流を求めてみましょう。

電圧と抵抗は大きさがわかっており、電流がいくらかわからない状態です。

先程の関係式の中で電流を求める式に電圧と抵抗をあてはめていくと下記のような式になります。

$$電流(I)=\frac{電圧(V)}{抵抗(R)}$$

$$電流(I)=\frac{100}{20}=5[A]$$

以上のことから、この回路では電流が5A流れているということになります。

今回は電流を求める問題でしたが,式を変形させれば電圧と抵抗についても同じように計算して求めることができます。

まとめ

オームの法則は電流・電圧・抵抗の関係性を発見したもの
(電流(I)=電圧(V)/抵抗(R))

電流は抵抗が大きい程小さくなり、電圧が大きい程、大きくなる

電圧は電流が大きい程、抵抗が大きい程、大きくなる

公式は、電圧(V)=電流(I)×抵抗(R)を覚えるのがおすすめ

電圧・電流・抵抗の内、2つが分かっていれば残り一つを計算して求められる

以上、今回はオームの法則の概要と計算方法についての解説でした。

オームの法則は電気回路の計算において基本となるためとても重要です。

また、電気回路の計算において直列回路と並列回路の計算も基本となる重要な部分になります。

以下の記事では直列回路、並列回路の計算方法について詳細を解説していますので併せてぜひ読んでみてください。
【最強のわかりやすさ】直列回路の電圧・電流・抵抗の求め方とは?

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いずみ
電気について勉強を始めて12年。その内9年は変電所や発電所に関わる仕事を経験し、現在も目に見えない危険な電気と戦う毎日を過ごしている。電気について気楽に学べる場所があればいいなと思い、第一線の現場で得た電気系知識、経験などを発信しています。