単相交流、三相交流とは?違いとメリットを簡単に解説!

電気には直流、交流2つのタイプがありますが、交流にはさらに三相交流、単相交流と呼ばれるものがあります。

 

三相交流、単相交流の違いは一体なのか、どの様に使い分けるのか、簡単にお話していきます!



三相交流とは?


まず、三相交流が一体何なのかというと位相が違う3種類の交流で電気を供給しているものをいいます。

 

突然位相という聞き慣れないワードが出てきましたが落ち着いて下さい。

 

三相、単相の違いを知るには、まず位相というものを知る必要があります。

 

位相を制する者は交流を制する。と言いたくなる程、大切なことです。

 

位相についてざっくりとお話すると、交流は常に大きさ、向きが変化する電気のことです。

 

交流は基本的に波の様に同じことを繰り返しながら変化をします。

図1

 

周期的な変化をずっと繰り返している訳ですが、ある時間の時(タイミング)に波がどの位置にいるのかを示すもの、それが位相です。

 

位相の単位は°(度)もしくは、rad(ラジアン)で表します。

 

↓↓もっと具体的に交流の性質については知りたい方はこれらの記事を参考にして下さい↓↓

【5分で分かる!】交流の電気の位相とは何か?簡単解説!

 

先程話しましたが、三相交流では位相が違う交流を3つ使用しています。

 

言い換えると、位相差のある交流を3つ使用しているということです。

 

もっと言い換えると、波の変化する周期(タイミング)が違うものを3つ使用しているということになります。

 

イメージしやすいように三相交流を図で表すと下の図2のようになります。

図2

 

カラフルで綺麗な波形ですね。黄色の波形の山がズレているのが見て分かると思います。

 

位相がズレているため、電圧の大きさが最大になる時、0になる時もそれぞれバラバラです。

 

そして三相交流というのは、一般的に120°位相差がある電圧を組み合わせたものが使用されています。

 

例えば、上の図2の黄色の電圧でそれぞれが−から0になるタイミングに注目してみます。

 

赤の電圧は位相が0°の時に-から0になります。青の電圧は位相が120°、黄色の電圧は位相が240°の時です。

 

この様に同じタイミングに注目すると、120°ずつズレていることが分かります。

 

つまり、赤の電圧に対して、青の電圧は120°、黄色の電圧は240°位相差があるということになります。

 

発電をする時に、効率やコストを考慮し、発電機のコイルを120°ずつズラして配置しているからこのような位相差が生まれます。

 

また、三相交流の送電は3種類の交流を送電することから、電線も3本使用します。

 

電柱の電線を暇な時に空と一緒に眺めてみて下さい。三本の電線があるはずです。

 

今回は各電圧を赤の電圧青の電圧という感じで表現しましたが、実際に電気業界で各電圧を呼ぶ時は○○相などと呼びます。

 

 

これが三相交流の概要です。

 

単相交流とは?


単相交流というのは1種類の交流のみで電気を供給するものをいいます。

 

三相交流は3種類の交流を組み合わせて使用しますが、単相交流は1種類のみ使用したものです。

 

そのため、三相交流に比べてシンプルです。

 

単相交流と三相交流の違い、メリットとは?

単相交流と三相交流にはそれぞれメリット、デメリットがあります。

 

単相交流と三相交流の違いについて整理してみました。

違いメリットデメリット
三相交流3つの交流を使用する。

基本的に3本の配線が必要になる。

3つの交流を使用するため多くの電力を送電できる。

多くの電力を送電できるため、大型の機器を動かせる。

120°の位相差があるため、電動機を動かせる。

配線が多くなるため、単相交流よりもコストがかかる。
単相交流1つの交流のみ使用する。三相交流の1つ分で済むためコストが安い。

三相交流よりも配線が少ないため、回路もシンプルになる。

三相交流程の大きな電力を送れないのでパワーがない。

以上が、メリットとデメリットです。

 

このメリットとデメリットを理解して使い分けることが重要になります。

三相と単相はどの様に使い分けされているのか?


では、三相交流と単相交流はどのように使用されているのでしょうか。

 

まず三相交流ですが、電力の送電、モーターなどによく使用されています。

 

パワーが必要な大きな機械、電力系統など安定性を求めるものに使用されています。

 

三相交流は3つの交流で送電することから大きな電力を得ることができます。

 

単相交流は、私達が普段使用している家電やコンセントなど比較的小さな機械に使用されています。

 

まとめ

三相交流とは位相が違う3種類の交流を組み合わせた電気のこと

 

三相交流では120°ずつ位相がズレた交流が使用されている

 

単相交流は1種類の交流のみ使用した電気のこと

 

大きな電力を必要とするもの、安定性が欲しいものは三相交流、比較的小さな電力で動かす機械には単相交流が使用されている

 

以上が三相交流、単相交流についてまとめたものです。

 

どちらも私たちの身の回りでよく使用されている電気です。

 

皆さんが普段使用しているものは三相ですか?単相ですか?気になったら参考にしてみて下さい。

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いずみ
電気について勉強を始めて12年。その内9年は変電所や発電所に関わる仕事を経験し、現在も目に見えない危険な電気と戦う毎日を過ごしている。電気について気楽に学べる場所があればいいなと思い、第一線の現場で得た電気系知識、経験などを発信しています。