ファラデーの法則、レンツの法則とは?3つの違いをまとめ!

皆さんは電磁誘導という言葉を聞いたことはありますか?

電磁誘導って言葉を聞くだけで、難しそうとか、体に拒絶反応が、、、っていう人もいるかも知れません。

電磁誘導に関する法則はファラデーの法則とレンツの法則がありますが、法則の違いがわかりにくい、どんな内容だっけ?と感じる方は多いと思います。

そんな方に向けて今回は電磁誘導の概要、ファラデーの法則、レンツの法則について簡単にお話します。

いずみ

この記事を読むと、ファラデーの法則とレンツの法則の違いについて理解することができます。



電磁誘導とは

そもそも電磁誘導とは何なのか?ざっくり言うと、導体(金属等)に磁気を加えると電流が流れる現象です。

中学の理科でよく出てくるのは、コイル(金属に導線を巻いたもの)に磁石を近づけたりして電流を流すパターンです。

この時に流れる電流と起電力を誘導電流誘導起電力と呼びます。

しかし、理想の誘導起電力を発生させるためには、とりあえず適当に磁気を加えればいい、という訳でもありません。

具体的にどの様な時に誘導起電力が発生するのか、また発生する誘導起電力はどの様なものになるのか、ということを知る必要があります。

電磁誘導についてはいくつか法則がありますので下の記事で詳細をお話します。

ファラデーの法則とは

まずはファラデーの法則です。1831年にイギリスの物理学者マイケル・ファラデーが発見した法則です。

内容は回路と鎖交する磁束が時間的に変化する場合、回路に鎖交する磁束の変化の割合に比例した起電力が生ずるというものです。

一瞬、頭の中が?になりますね。

簡単にすると、回路に加える磁束の変化が大きい程、大きな起電力が発生するということになります。

例えば、コイルに磁石をゆっくり近づけた場合は回路に加わる磁束の変化は小さいため、発生する誘導起電力も小さくなります。

逆に磁石を素早く近づけると、突然磁束の変化が大きくなるため、誘導起電力も大きくなります。

また、ファラデーの法則ではコイルの巻数と誘導起電力が大きさが比例するということも発見しています。

これがファラデーの法則の概要です。

レンツの法則とは

次はレンツの法則です。1834年にロシアの物理学者ハインリヒ・レンツが発見した法則です。

内容は電磁誘導によって生じる起電力は、もとの磁束の変化を妨げる様な向きに生じるというものです。

簡単にすると、回路に加わる磁束が変化すると、その変化を打ち消す様な向きに起電力が生じるという感じです。

例えば下の図の様に磁石と導線があったとします。磁石を近づけると、導線に磁束が加わります。

導線は磁束が変化したため、反対向きの磁束を作り、磁束の変化を妨げようとします。

反対向きの磁束を作るために、誘導起電力と誘導電流が発生します。

この時に発生する誘導電流の向きはアンペアの右ねじの法則の向きになります。

アンペアの右ねじの法則とは、右手をgoodにした時、親指が電流の向き、他の4本の指が磁界の向きを示すという法則です。

法則だらけですが、もうちょっとです。

そしてこの誘導電流が生じる方向に誘導起電力が発生するということになります。

逆に磁石を遠ざけた場合は導線に加わる磁束が減ることになるため、磁石が近づいた時とは反対の向きに誘導起電力が発生します。

この様に、誘導起電力の向きについての関係を発見したのがレンツの法則です。

ファラデーの法則、レンツの法則の違い

ファラデーの法則は誘導起電力の大きさについての法則です。

また、ファラデーの法則ではコイルの巻数が誘導起電力の大きさに比例することも分かっています。

それに対してレンツの法則は主に誘導起電力の向きについての法則です。

2つの法則の違いは主にこの3点になります。

電磁誘導は何に利用されているか

こんなもの、一体何に使うんだ?と思いますよね。例を挙げると発電機や変圧器によく使われています。

発電機は磁石の間にあるコイルがくるくる回ることで発電をしています。

コイルが回ると、磁束が変化するため、電磁誘導により誘導起電力が発生します。

変圧器(電圧を変圧するもの)は巻数の違うコイルを配置することで電圧を上げたり、下げたりすることができます。

これもファラデーの法則のコイルの巻数によって誘導起電力が比例するという性質を利用したものです。

他にも家電製品など実は様々なものに利用されています。

まとめ

・電磁誘導とは、磁束の変化に応じて起電力、電流が発生する現象。発生した起電力、電流は誘導起電力、誘導電流という

・ファラデーの法則は磁束の変化が大きい程、コイルの巻数が多い程、誘導起電力が大きくなるというもの

・レンツの法則は回路の磁束が変化すると、その磁束の変化を妨げる向きに誘導起電力が発生するというもの

・ファラデーの法則は主に誘導起電力の大きさに関する法則。レンツの法則は誘導起電力の向きに関する法則

以上がざっとまとめたものです。

この記事を読んでいただけたなら、きっと少しは体の拒絶反応が消えている筈です、、。

ファラデーの法則、レンツの法則は似ているため、ごちゃごちゃしやすいので頭の中を整理したい方は参考にしてみて下さい。

また、下記の記事では電圧とは何かということについて詳しく解説してますので併せて是非読んでみてください。

【最強のわかりやすさ】電位差とは?誰でもわかるように解説します

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2件のコメント

コイル内を棒磁石が通過した場合、棒磁石は力を受けますか?
コイルの両端には電圧計もしくは、豆電球がついています。

コメント頂きありがとうございます。
コイルに電源が付いていないのであれば棒磁石に影響を与える力は何もないと思います。
電源が付いている場合は磁界などの影響を受けることが考えられます。

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いずみ
電気について勉強を始めて12年。その内9年は変電所や発電所に関わる仕事を経験し、現在も目に見えない危険な電気と戦う毎日を過ごしている。電気について気楽に学べる場所があればいいなと思い、第一線の現場で得た電気系知識、経験などを発信しています。