【最強のわかりやすさ】正弦波交流の平均値、瞬時値とは?簡単に解説

電気には直流、交流の2種類の電気があります。

その中でも交流は正弦波交流とも呼ばれており、大きさ、向きが周期的に変化する電気です。

常に変化をしている電気の大きさを表すのは難しいですよね。

そのため、正弦波交流の大きさを表したい時は、場面に応じて様々な表し方をします。

今回は正弦波交流の大きさの表し方について解説していきます。

この記事を読むと、正弦波交流の平均値と瞬時値について理解することができます。



正弦波交流の最大値とは


まず、正弦波交流というのは下の図のように周期的に電気の向き、大きさが変わることで、正弦波となる電気のことをいいます。

最大値というのはこの波形の中で、山になっている部分(矢印の部分)のことをいいます。

文字通り波形の中で一番大きくなる部分が最大値となります。

最大値は電圧であればEmVm、電流であればImとよく表現されます。

周期的に変化する大きさの中で一番大きい時の電圧、電流を表現したい!という時に使用されるのが最大値です。

正弦波交流の瞬時値とは


正弦波交流には瞬時値という表現もあります。

交流の電気は常に大きさ、向きが変化しているため、あるタイミング(位相)の時の大きさを表したい時に使用されます。

決まったタイミングの時の大きさを表せるため、交流の表し方としてよく使われる表し方です。

どのように瞬時値を表すのか、下の図の正弦波形を左のベクトルにプロットした図を使ってe1e2の波形を瞬時値で表してみます。

正弦波交流の電圧e1で位相がθの時、電圧の大きさは左のベクトルからAの大きさになるのが分かります。

大きさABの縦分の大きさになるため、A=Bsinθで求められます。

そして、このBの大きさは同じ円の中にあるCの大きさと等しいのが分かります。

Cは右の波形の中で、最大値に等しいため、Emsinθで瞬時値を表せることになります。

また、角度θは時間の経過とともに大きくなり、角度×tで電圧変化のタイミングを表せます。

この角度θは角速度角周波数と呼ばれていて、ωで表し、1秒間に角度がどれくらい変化するのかをわかるようにしたものです。

単位には度数法の[°]ではなく弧度法でラジアン[rad/s]が使用されます。

弧度法というのは扇形の弧と半径の長さの関係から角度を表す方法です。

また、角速度ωは2πfで求めることができます。

なぜ角速度が2πfになるのかというと、発電機にはコイルが使われており、コイルの1回転が波形の1周期となるからです。

コイルの1回転は360°で、360°を弧度法で表すと2πになります。

fは周波数のことであり、発電機の周波数と1秒間のコイルの回転数は等しいことから、2π×周波数(回転数)×時間で電圧変化のタイミングを表しています。

これらのことから瞬時値は下のように表されます。

$$e1=Em\sinω(2πf)t [V]$$

一方、e2の瞬時値はe1と大きさが同じで、e1の電圧よりも位相が90°遅れていることから、

$$e2=Em\sin(ωt-90)[V]$$

となります。

少し長くなってしまいましたが、これが交流の瞬時値、あるタイミングの時の大きさの表し方です。

正弦波交流の平均値とは


今度は正弦波交流の平均値です。

平均の電圧はVavやEav、電流であればIavなど使用します。

平均値というと真ん中の位置をイメージするので0になりそうな気がしますが、もちろん0ではありません。

0ではおかしくなってしまうため、平均値は正弦波形の半周期(瞬時値の和の平均)を平均として計算しています。

言い換えると、絶対値の平均とも言えます。

下の図でいうと、1周期の半分である山の面積を求めることがこの波形の平均値となります。

1周期をTとすると、半周期はT/2です。

半周期の山の面積を求めるためには0~T/2を積分をすると求められます。

電圧の平均を求めるため、実際に積分の式をつくり計算すると、

$$Vav=\frac{1}{T}\int_0^\frac{T}{2}Vm\sin\frac{2π}{T}tdt$$

$$=\frac{2Vm}{T}\left[-\frac{T}{2π}\cos\frac{2π}{T}t\right]_0^\frac{T}{2}$$

$$=\frac{2Vm}{T}・\frac{T}{2π}(-\cosπ+\cos0)$$

$$=\frac{Vm}{π}・2$$

$$=\frac{2}{π}Vm$$

となることから、平均値は最大値に2/πをかけたものになります。

ピークピーク値


最後はピークピーク値というものです。

正弦波形の最大値と最小値の差を表します。下の図でいうと矢印の部分になります。

ピークピーク値の記号は電圧であればEppVpp、電流であればIppが使用されます。

まとめ

・最大値とは正弦波交流の山の大きさのことでEmやVm,Imで表す

・瞬時値とはある瞬間の時の交流の大きさを表せるようにしたもので、e=Em sinωtで表す

・平均値とは大きさの平均を表すもので、EavやVav、Iavで表し、最大値×2/πで求められる

・ピークピーク値は正弦波形の最大値、最小値を表したもの

以上が正弦波交流の大きさの表し方をまとめたものです。

このように交流の電気には大きさが常に変化する性質があることから、様々な表し方があります。

また、正弦波交流には位相というものがあり、位相のことを理解していないと何も理解することができません。

下の記事では正弦波交流の位相とはどんなものなのか詳しく解説していますので、是非合わせて読んでみてください。

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いずみ
電気について勉強を始めて12年。その内9年は変電所や発電所に関わる仕事を経験し、現在も目に見えない危険な電気と戦う毎日を過ごしている。電気について気楽に学べる場所があればいいなと思い、第一線の現場で得た電気系知識、経験などを発信しています。